タンポポのたね どうしてとんでいくの?
「はっけん! どこでも だいしぜん」シリーズは、みぢかな生きものの形やくらしを知ることで、生きもののふしぎに気づいて、生きもののこと、自然のことを好きになってもらいたい! という思いをつめこんだシリーズです。
1巻目は植物のたねをテーマに選びました。小さい子どもたちも知っているタンポポのわたげから、おはなしがはじまります。
たねの形はさまざまです。植物によって、広がる方法がちがって、その方法にあった形になっていったのだなぁと、びっくりします。
風に乗って遠くまで飛んでいくたね、雨のしずくを受けて飛び出すたね、自分ではじけるたね、こん虫やほ乳類、鳥に運んでもらうたね……
それぞれ大きさも色も、形もちがいます。
植物を調べていると、色や形はもちろん、くらし方、くらす場所、あまりにいろいろありすぎるので、どの植物を選んだら、読者の方に伝わるのか、とても悩みます。たねってこういうものだよ、なんて一言でいうのはむずしいのですが、たねの基本がわかるように、たくさんの工夫をつめこんだ解説を巻末につけました。
絵は、ごとうまきこさん。
『くらべて よもう どうぶつの赤ちゃん』でも挿絵を描いてくださっています。知床をガイドするお仕事を経験したことから、自然と産業、自然と人、人と人、いろいろなつながりを意識するようになったそうです。この絵本も、風に乗るたね、はれの日を待って風に乗るたね、雨の日を待って、雨つぶを受けてはじけるたね、自分ではじけるたね、はじけて動物に運ばれるたね……というような感じに、おはなしをつないでいきました。自然の中の一瞬を、シンプルな線に落としこんだようなごとうさんの絵が、ページをめくる力を与えてくれています。
それから、じつは、わんこがこの絵本のガイド役でもありましたよ。
BOOK DATA
はっけん! どこでも だいしぜん
タンポポのたね どうしてとんでいくの?
文一総合出版2021年10月32ページ
えごとうまきこ
ぶんかんちくたかこ
監修多田多恵子
デザイン國末孝弘(ブリッツ)
企画・構成・編集川嶋隆義・寒竹孝子(スタジオ・ポーキュパイン)