すいめん
とても美しい絵本です。
ほとんど毎日、水面を通って、空の世界と海の世界を行き来している、高久至さんのいちばん好きな場所が、「すいめん」なのだそうです。
水面は空の世界と海の世界の扉、人やトビウオのように、扉を行き来できるものがいる反面、サンゴのように、水面が壁となって、海の世界を抜けられないものもある。水面は、世界中をつないでいて、遠くからウミガメもやってこられるし、流氷も流れ着く。小さな潮だまりにも、存在する。そして、人間社会にもつながっている。それは、残念ながら、人間社会から流れ出るゴミのような存在として現れることもある。
デザインは、名久井直子さんにお願いしました。
高久さんにとって、はじめて海に飛びこんだ日から、ずーっと、いちばん美しい場所であり続ける水面を16篇の詩にしたような、絵本。見返しも含めて、すべてのページが、水面を感じさせる装丁となっています。
BOOK DATA
すいめん
アリス館2021年7月32ページ
著者高久 至
デザイン名久井直子
プリンティング・ディレクション髙栁 昇(株式会社東京印書館)
企画・編集川嶋隆義・寒竹孝子(スタジオ・ポーキュパイン)