
ほうさんちゅう ちいさな ふしぎな 生きものの かたち
ほうさんちゅうは「放散虫」と書きます。現在の海にもいるプランクトン、生きものです。その1億4000万年前の化石を電子顕微鏡で撮影した、研究用の写真を絵本にしました。なので、からだではなく、骨格になります。とても小さくて、骨格だけだと、ほとんどが0.1mmほどしかありません。目には見えないほどの小ささの中に、こんなにふしぎな形があります。

この絵本に載っている放散虫は、すべて、同じ石からとられた化石です。1993年に、有人潜水調査船「しんかい6500」が、マリアナ海溝を潜航して拾ってきた石です。何百種類もの、とても状態のよい放散虫が封じこめられていました。研究のため、この本の監修者でもある松岡先生が、3万枚以上も電子顕微鏡で撮影されたそうです。その画像をお借りしたわけですが、やってきた画像は、2000枚以上ありました。
最初は、枚数の多さにたじろいでしまったのですが、すごいな、きれいだな、とながめているだけでも、じゅうぶん楽しいことに気づきました。

形だけに注視してつくってみよう
そう決めて、きれいな形のものを500枚、選びました。それを数日間ながめて、グループ分けをしました。貝みたいとか、塔みたいとか。この形を見て、びっくりした子どもたちが、将来、絵画や造形、デザインの分野に興味を持ってくれるかも、などと想像しながら、子どもたちの興味を刺激するような文章になるよう、工夫を重ねました。何度も書き直していくうちに、文章は短くなって、オノマトペでリズミカルになっていきました。
とにかく、ふしぎで美しい放散虫。その形から、生きものの進化や多様性、美しさを感じとってもらえたらうれしいです。
巻末には、放散虫の解説もあります。
BOOK DATA
ほうさんちゅう ちいさな ふしぎな 生きものの かたち
アリス館2019年7月36ページ
監修松岡 篤
文かんちくたかこ
画像提供松岡 篤(新潟大学 形の科学研究センター)、高久 至、奥 修(ミクロワールドサービス)
イラストえるしまさく
デザイン椎名麻美
プリンティング・ディレクター髙栁 昇(株式会社東京印書館)
アドバイザー横山 隼(RC GEAR)
企画・構成・編集川嶋隆義・寒竹孝子(スタジオ・ポーキュパイン)