オランウータンに会いたい
オランウータンは、わたしたちヒトと同じ大型類人猿(霊長類)です。ヒトとオランウータンは、たとえるなら「いとこ」にあたるほど近い関係です。
でも、わたしたちのいとこは、わたしたちヒトとはだいぶ異なるくらしぶりのようです。
高い木の上にくらし、ほとんど地面におりない。
おとなになったら、基本的に単独行動。
いじめやけんかはない。
オスは、自分が最強だと確信したら姿が変わる(!)
久世濃子さんは、日本とボルネオ島の森を行き来して、オランウータンのことを多くの人に知ってもらおうと活動されている研究者です。オランウータンを探して熱帯雨林の中を歩き回る調査のようすも、この本にはたくさん描かれていて、フィールドワークの苦労、危険、そして達成感が伝わります。
残念ながら、いま、オランウータンは絶滅の危機にあります。遠い外国のことではなく、わたしたち日本人も、その原因をつくってしまっています。オランウータンの未来のこと、あるべき地球のすがたについて考えるきっかけになる本だと思います。
BOOK DATA
オランウータンに会いたい
あかね書房2020年3月180ページ
著久世濃子
写真提供久世濃子、川嶋隆義、Calvin Ng、日本オランウータン・リサーチセンター
イラスト秋草 愛
装丁・本文デザイン中嶋香織
企画・編集川嶋隆義(スタジオ・ポーキュパイン)
関連記事
『オランウータンのジプシー』