かくれているよ 海のなか
屋久島の水中写真家・高久至さんが、海の生きものたちのかくれわざの数々をとらえた写真絵本です。
海にくらす生きものたちは、敵の目からのがれたり、えものをまちぶせたりするために、あっちにも、こっちにもかくれています。まわりの色に、からだの色をあわせてみたり、もようまでそっくりに、まねしていたり、強いものに、そっとかくれていたり……
絵本をひらくと、色あざやかな海の底へ、一気に引きこまれます。高久さんの、いっしょうけんめい生きている小さな生きものたちが大好きでたまらない気持ちが伝わってきます。
高久さんから写真を預かったとき、いっしょうけんめいかくれる海の生きものたちの、けなげでかわいらしいすがたに、とてもわくわくしました。
どこにかくれているか、さがすのも楽しいのですが、かくれ方にもおどろいてもらいたいと思いました。でも、あんまり説明してしまっては、写真を見てのおどろきがうすまってしまいます。新鮮なおどろきを感じてもらいたかったので、見出しから、文章へと読み進められるよう、短く、リズミカルになるよう工夫しました。
それにしても、ボンベもしょって、つねに波にぷかぷか流される海のなかで、こんなにたくさんの生きものたちを見つけられるなんて、すごいですね。
BOOK DATA
かくれているよ 海のなか
アリス館2020年4月32ページ
写真高久 至
文かんちくたかこ
デザインタカハシデザイン室
プリンティング・ディレクション髙栁 昇(株式会社東京印書館)
企画・構成・編集川嶋隆義・寒竹孝子(スタジオ・ポーキュパイン)