ドングリのあな どうしてあいたの?
「はっけん! どこでも だいしぜん」シリーズ2巻目は、ドングリ虫からはじまるこん虫たちの“しわざ”のおはなしです。
この本の制作に入るほんの少し前に、自然公園を歩いていたら、まだ青いドングリが、頭に落ちてくるという経験をしました。この本にも出てきますが、ハイイロチョッキリのしわざでした。かなり興奮したできごとでした。
こんなふうに、近所を散歩しているだけでも、こん虫がのこしたあとにたくさん出会います。こん虫のしわざだと思わずに見過ごしていたものも、こん虫のしわざだったかもしれません。
はっぱにあいた穴だったら、きっとこん虫が食べたあとと思うでしょう。でも、それも、よう虫があけた穴か、せい虫があけた穴かでちがってきます。よう虫だったら、食べあと。せい虫だったら、やっぱり食べあとも多いのですが、ちがう目的で運んでいることもあります。
巻末の解説ページでは、こん虫たちがのこしたあとを、昆虫の生活史の段階ごとにわかりやすく分けました。こん虫って、なんだかほんとうにすごい生きものだな、と本をつくっていて実感したものです。
絵は、箕輪義隆さん。
箕輪さんといえば、鳥をたくさん描かれてきた画家ですが、これまでにも、恐竜やカモノハシ、ビフィズス菌など、いろいろな生きものを描いてくださいとお願いしてきました。今回は、こん虫でまるまる1冊! さいしょは「え! こん虫ですか?」とおどろかれてしまいましたが、できあがった絵は、やはり、とても美しいのでした。
BOOK DATA
はっけん! どこでも だいしぜん
ドングリのあな どうしてあいたの?
文一総合出版2021年10月32ページ
え箕輪義隆
ぶんかんちくたかこ
監修奥山清市
協力伊丹市昆虫館
デザイン國末孝弘(ブリッツ)
企画・構成・編集川嶋隆義・寒竹孝子(スタジオ・ポーキュパイン)